つい先ほど、ノルウェーで2012年のカブリ賞が発表されました。
2008年から始まった賞で、まだ日本での知名度はさほど高くないのですが、 天体物理学、ナノサイエンス、神経科学、の3つの分野において特に優れた業績を あげた研究者に贈られる賞で、アメリカではカブリ賞の受賞者が大統領と面会するなど すでに栄誉ある賞としてしられています。 まだ歴史の浅い賞ではありますが、なんと第1回のナノサイエンス分野の受賞者には 日本人の飯島澄男教授(名城大学)がいらっしゃるのです。 そんなこともあり、今年の受賞者が誰になるかドキドキしながら発表を待っていました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 が、残念ながら今回は日本人の、そしてKavli IPMUからの受賞者はいませんでした。 近い将来にKavli IPMUの研究者がカブリ賞の受賞者になるといううれしいお知らせが できるといいなぁと思います。 (次回のカブリ賞の発表は2014年です) もちろん、”カブリ”賞と言ってもカブリ財団が単独で運営しているのではなく、 ノルウェー科学人文アカデミー、米国カブリ財団、ノルウェー教育研究省が共同で 運営しており、受賞者の決定も 中国科学アカデミー、フランス科学アカデミー、英国王立アカデミーなどから 推薦された世界の研究者からなる各分野の委員会によって候補者が選ばれる。 ↓ ノルウェー科学人文アカデミーによって承認される という厳正な審査手続きを取っています。 ということで、”カブリ”ファミリーの一員であるKavli IPMUだからと言って、優位になる わけではないことをしっかりお伝えしたうえで、受賞のお知らせができる日を待ちます。 (といいつつ、担当者には応援するくらいしかできないので、研究者の皆さん期待しています!) 今年度の受賞者の発表はKavli IPMUのホームページからご覧ください。
記事の日付が前後してしまいましたが、先週5月9日に
村山機構長がカブリ財団のカブリ会長らとともに 野田総理大臣を表敬訪問しました。 詳しい様子は首相官邸のHPに公開されているので ぜひご覧ください! なんとビデオで訪問の様子がすべて公開されています。 首相官邸の情報公開は進んでいますね。 首相官邸HPへ
今日は前回の記事に引き続き、一般講演会のお知らせです
今回カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)としての新しいスタートを記念してGW明けの5月10日に東京大学本郷キャンパスの 伊藤謝恩ホールにおいて一般講演会を開催いたします。 この講演会では、カブリ財団創立者のフレッド・カブリ氏のスピーチと財団の紹介に続いて、カブリIPMUの村山機構長とロジャー・ブランドフォードカブリ量子宇宙物理研究所長が登壇します。 村山機構長の講演はニュートリノについて、そしてブランドフォード所長の講演はブラックホールについて。 ブラックホールというと”吸い込まれたら二度と出てこられない”破滅とか最後というイメージが強いのですが、宇宙物理学の世界ではブラックホールの再生能力に注目が集まっています。実は我々が存在している銀河や惑星の進化の過程ではブラックホールが大きな役割を果たしているのです・・・。この続きはぜひ講演会でお楽しみください。 もちろん同時通訳付きですので、ご安心を 応募締め切りは4月20日です。下記概要をご覧の上、ご応募おまちしています! カブリ数物連携宇宙研究機構記念一般講演会 「宇宙へみちびく」-ニュートリノとブラックホールの不思議- プログラム 「私たちはニュートリノから生まれたのか?」 講師 村山斉 (東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構 機構長) 「ブラックホール-すべての終わりか、新しい始まりか-」 講師 ロジャー ブランドフォード (スタンフォード大学カブリ量子宇宙物理学研究所 ペン&アデレ・チェン冠所長) ※このほかにカブリ財団創立者によるスピーチと財団の紹介も予定しております。 ※同時通訳付きの講演になります。 日時: 2012年5月10日(木)15:00-18:00(14:30開場) 場所: 東京大学伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール 東京メトロ丸の内線 本郷三丁目駅より徒歩8分 都営地下鉄大江戸線 本郷三丁目駅より徒歩6分 東京メトロ千代田線 湯島駅または根津駅より徒歩15分 東京メトロ南北線 東大前駅より徒歩15分 定員: 450名(カブリIPMUのHPからの事前申込・抽選制) 参加費: 無料 対象: 中学生以上 申し込み方法:カブリIPMUのホームページからお申込みください。 応募締切: 4月20日(金)17時
ずいぶん春らしくなってきました。
カブリIPMUのある東京大学柏キャンパスの桜もほぼ満開です。 さて、本日は今週末に開催される一般講演会のお知らせです。 今回で6回目を迎える東京大学 宇宙線研究所(ICRR)とカブリ数物連携宇宙研究機構(カブリIPMU)の合同一般講演会が今週土曜日、4月14日に柏市のアミュゼ柏2Fで行われます。 宇宙線研究所とは研究所が隣同士というだけではなく、研究分野も同じ宇宙を対象にしていたり、神岡の施設を共同利用していたりと共通点が多く、ICRRとカブリIPMUを併任している研究者も大勢います。 そういったご縁で毎年春と秋に続けている合同講演会も今回で6回目です。 今回のカブリIPMUからの講師は唐牛特任教授です。 唐牛さんはSuMIReプロジェクトの研究支援統括者としてカブリIPMUに着任するまでは 長年国立天文台で研究を続けており、国立天文台ハワイ観測所長も務めた方です。 日本が誇るすばる望遠鏡について、そしてすばる望遠鏡に2基の装置を取り付けることによってダークマター・ダークエネルギーの謎に迫るSuMIReプロジェクトについてどんな話が飛び出すか今から楽しみです 昨年は震災の影響で春の合同講演会が中止になったため、柏での合同講演会は2年ぶり。 広い会場ですので、事前申し込みも不要です。 柏市や近郊、もちろん遠方からの皆さんのお越しをお待ちしています。 講演内容 高エネルギーガンマ線により極限宇宙を探る 講師:手嶋政廣 (東京大学宇宙線研究所 教授) 『すみれ』の花がさくころ 講師:唐牛宏 (東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 特任教授) 日時:2012年4月14日(土)13:30-15:30(受付開始 13:00~) 場所:アミュゼ柏 2階クリスタルホール 参加方法:事前申し込みは不要です。当日会場に直接ご来場ください。 詳細:中学生以上 主催:東京大学宇宙線研究所(ICRR)・カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU) 詳しくは東京大学 宇宙線研究所のホームページをご覧ください。
カブリIPMUに関する各紙の報道も一段落しました。
”研究所が寄付を受けて冠研究所になる”という事実だけではなく、 日本の寄付文化や今後の研究費獲得のありかたなど 様々な面でみなさんに興味を持っていただけたようです。 中には「わざわざ日本の研究所に寄付をするカブリ財団ってどんな財団?」 と思われた方もいらっしゃると思うのですが、カブリ財団に関する情報は 日本ではなかなか見当たらないので今回はカブリ財団についてお伝えします。 アメリカにあるカブリ財団はノルウェー生まれのアメリカ人、フレッド・カブリ氏に よって創設されました。 氏はノルウェーにいた10代の頃からベンチャー企業を起こし、そこで得た収益を もとにノルウェー工科大学に進み、物理学を専攻しました。 大学を卒業後にカナダを経てアメリカにうつり、カブリコ・コーポレーションという 航空宇宙や自動車用などのセンサー製造の会社を起こします。 そしてカブリコ・コーポレーションをこの分野での世界最大の企業に育てました。 ノルウェーから渡米した若者が成功した、まさにアメリカンドリームです その後カブリ氏は2000年にカブリコ・コーポレーションを譲渡した資金をもとに カブリ財団を創設。 財団を通じて科学研究、特に基礎科学を支援する活動を行っています。 今回IPMUが16番目のメンバーとしてファミリーに加わった カブリ冠研究所もカブリ財団の支援の一つです。 またIPMUの主任研究員でもあるカルテック(カリフォルニア工科大学)の 大栗教授は”カブリ冠教授”です。 詳しくは大栗さんのブログにも書かれていますが、カブリ財団はこのような 研究機関や大学の講座への寄付も行っています。 さらに優れた研究者に贈られるカブリ賞(The Kavli Prize)もあり、 この賞の受賞者はホワイトハウスに招待されて、大統領と 面会するなど栄誉ある賞です。 オバマ大統領と米国でのカブリ賞の受賞者達(左から2番目がフレッド・カブリ氏) とはいえ、日本ではまだ馴染みのない名前なので、ただでさえ長い IPMUの”東京大学 国際高等研究所 数物連携宇宙研究機構”という 名前に米国の財団の名前がついてさらに長くなるという程度に 思えるのですが、実はカブリ冠研究所に加わったというのは 単なるカブリ財団の名前がついたこと以上に意味があることなのです。 現在ある15のカブリ冠研究所はいずれもその分野では一流の研究所です。 それゆえ、カブリ冠研究所に加わるというのはIPMUが世界でも 一流の研究所として認められた事でもあるのです。 たとえば海外の研究者がIPMUという名前を知らなかったとしても ”カブリ冠”の研究所ということで、IPMUでの研究に興味をもったり IPMUと共同研究をしようと考えてくれることによってIPMUで 行っている研究もさらに発展していくことが考えられます。 というように我々IPMUのメンバーは寄付金による基金の創設はもちろんのこと、 カブリファミリーの一員になるという事をとてもうれしく思っています。 ”カブリ”IPMUの発足は2012年4月1日からになります。
2月8日に記者発表を行ったカブリ財団からの寄付の受け入れと、
IPMUが”カブリ”の冠をつけたカブリ研究所の一員、”カブリIPMU”と なることについては数々のメディアでも取り上げていただき(ありがとうございます!) これらの記事をきっかけにIPMUに興味をもっていただいた方も多いようです。 記者会見から1週間が過ぎた昨日、2月16日の朝日新聞の科学欄でも 「東大数物機構に冠スポンサー」という記事で取り上げていただきました。 朝日新聞の記事と記者の執筆後記はこちら 海外では寄付を行った財団の名前をつける研究機関は少なくありません。 カブリ研究所の”先輩”である15箇所のカブリ研究所はもちろんのこと、 スローン財団やカーネギー財団の名前がついた研究機関名などを お聞きになったことがある方も多いと思います。 日本では欧米に比べると寄付文化が醸成していないということもありますが、 税制に”寄付を行うメリット”が少ないということもあり、安定した財源になりうる 寄付がそう簡単には集まらないのが実情です。 そんな中、カブリ財団からの寄付と、IPMUのカブリ研究所への仲間入り、 そしてその報道が日本の寄付文化へ一石を投じることになればと思っています。 ところで、昨日の朝日新聞の記事の中に ”数物機構は大学の予算に、国からの約14億円を加えた 年間50億円ほどで運営している” という一節がありました。 しかし実は研究費と運営費を合計した拠点活動の決算額は年間30億円ほどです。 WPI拠点としての国からの交付額14億円に加えての16億円の大半は、 IPMUの研究者が自らの努力で獲得した研究資金です。 そして研究費はあくまでも”研究”のための経費であり、事務職員の 人件費など機構の運営に使うことはできません。 そのような状況ですから”使途を制限しない”今回のカブリ財団からの 基金はIPMUの運営費として貴重な財源になります。 同新聞記事の村山斉機構長のコメントにもありましたが、財団からの基金を ”研究”になる前の準備段階にかける費用や、優秀な研究者をリクルートするための 費用などに使うことによって、結果として多くの優れた研究成果をうみ出し、 日本の基礎科学の分野の底力を発信していける研究所として これまで以上に邁進していきます。 今回は少々固いお話になりましたが、今回のカブリ財団からの寄付と 冠研究所になることについて、各社の報道やさまざまなご意見をうけて IPMU広報担当者として発信させていただきました。 次回はカブリ財団って??という内容についても少し触れてみたいと 思っています。
今週日曜日のBSフジの番組『ガリレオX』に
IPMUが登場です。 前回の同番組では暗黒物質のテーマでIPMUの研究者が お話をさせていただきましたが今回のテーマは・・・ ”元素誕生” です。 宇宙の始まりには水素やヘリウムなどの軽い元素しかありませんでした。 そこからこの世の中のすべてのものを形作っている 元素がどのように生まれてきたのか・・・・。 そこには超新星爆発が密接に関係しています。 IPMUからは超新星と言えば・・・の野本憲一教授、前田啓一助教、 野沢貴也研究員などが登場します。 ぜひご覧ください! 放送局:BSフジ 番組名:『ガリレオX』 超新星爆発 元素誕生の謎(仮) 放送日時: 2012年2月12日(日)08:00~08:30 (再放送) 2012年2月19日(日)同時刻 番組内容の詳細
国立大学法人東京大学は本日2月8日に
「米国カブリ財団による基金設立および 数物連携宇宙研究機構がカブリ研究所になることについて」 の記者発表を行いました。 平成24年4月1日よりIPMUは米国カブリ財団よりの支援を受け、 ”カブリ”の冠をつけたカブリIPMUとなります。 詳しくはIPMUのホームページをご覧ください。
お待たせしました!
以前このブログで撮影隊がやってきたことを紹介した NHKの番組「爆問学問」がいよいよ今週木曜日に放送になります。 今回のタイトルは「宇宙の果てまで連れてって」 おかげさまでIPMUを紹介してくださるTV番組も増えていますが、 バラエティ色の強い番組への登場は初めてです。 すごく楽しみな反面、IPMUがどう紹介されているのか、少し心配もありますが、 ふだん科学番組はご覧にならない方、宇宙には興味のない方たちに IPMUのことを知ってもらえるチャンスだと期待しています 爆笑問題と村山機構長のトークはもちろんの事、IPMU名物、3時のティータイムへの 爆笑問題の乱入など見所満載ですのでお楽しみに!! この村山機構長の満面の笑みだけでも、トークの盛り上がりにが伝わってきますね。 このブログをご覧になっている皆さんも、お友達や親戚の方に 宣伝してくださいね! NHK総合 『爆問学問』 FILE173:「宇宙の果てまで連れてって」 2月9日(木)午後10:55~放送予定! 2月14日(火)午前1:30~<総合>再放送予定。 ※災害や社会情報によって放送日時が変更となる場合がございます |
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