カブリIPMUについて
2月8日に記者発表を行ったカブリ財団からの寄付の受け入れと、
IPMUが”カブリ”の冠をつけたカブリ研究所の一員、”カブリIPMU”と
なることについては数々のメディアでも取り上げていただき(ありがとうございます!)
これらの記事をきっかけにIPMUに興味をもっていただいた方も多いようです。

記者会見から1週間が過ぎた昨日、2月16日の朝日新聞の科学欄でも
「東大数物機構に冠スポンサー」という記事で取り上げていただきました。

朝日新聞の記事と記者の執筆後記はこちら

海外では寄付を行った財団の名前をつける研究機関は少なくありません。
カブリ研究所の”先輩”である15箇所のカブリ研究所はもちろんのこと、
スローン財団やカーネギー財団の名前がついた研究機関名などを
お聞きになったことがある方も多いと思います。

日本では欧米に比べると寄付文化が醸成していないということもありますが、
税制に”寄付を行うメリット”が少ないということもあり、安定した財源になりうる
寄付がそう簡単には集まらないのが実情です。
そんな中、カブリ財団からの寄付と、IPMUのカブリ研究所への仲間入り、
そしてその報道が日本の寄付文化へ一石を投じることになればと思っています。

ところで、昨日の朝日新聞の記事の中に
   ”数物機構は大学の予算に、国からの約14億円を加えた
                       年間50億円ほどで運営している”

という一節がありました。

しかし実は研究費と運営費を合計した拠点活動の決算額は年間30億円ほどです。
WPI拠点としての国からの交付額14億円に加えての16億円の大半は、
IPMUの研究者が自らの努力で獲得した研究資金です。

そして研究費はあくまでも”研究”のための経費であり、事務職員の
人件費など機構の運営に使うことはできません。
そのような状況ですから”使途を制限しない”今回のカブリ財団からの
基金はIPMUの運営費として貴重な財源になります。

同新聞記事の村山斉機構長のコメントにもありましたが、財団からの基金を
”研究”になる前の準備段階にかける費用や、優秀な研究者をリクルートするための
費用などに使うことによって、結果として多くの優れた研究成果をうみ出し、
日本の基礎科学の分野の底力を発信していける研究所として
これまで以上に邁進していきます。

今回は少々固いお話になりましたが、今回のカブリ財団からの寄付と
冠研究所になることについて、各社の報道やさまざまなご意見をうけて
IPMU広報担当者として発信させていただきました。

次回はカブリ財団って??という内容についても少し触れてみたいと
思っています。

by fu-miyazoe | 2012-02-17 10:20 | お知らせ
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