7月28日「宇宙をのぞいてみよう!」@Kavli IPMU
猛暑が続く夏休み、7月28日(土)にこのブログでも告知をしていた
高校生向け科学体験イベント「宇宙をのぞいてみよう!」が開催されました。


講義は朝10時からカブリIPMUの研究棟から徒歩1分の同じキャンパス内
の第二研究棟1階の「柏宇宙論情報発信センター」からスタートしました。

午前中はカブリIPMU広報担当准教授の大林由尚さんの授業です。
ずっと研究を続けてきたニュートリノだけでなく、IT関係に強い大林さんらしい、
最新のTV会議システムやPCを使った授業です。
TV会議システムでの通信授業はまず国立天文台ハワイ観測所と交信。
講師は国立天文台ハワイ観測所アウトリーチ支援員のRamsey Lundockさん。
Ramseyさんは日本の大学院で天文学の博士号をとったこともあり、
日本語がとてもお上手。
日本語ですばる望遠鏡についての授業をしてくれました。
すばる望遠鏡のサイズをガンダムと比較して説明してくれたRamseyさん。
「ガンダムはSFの物語の中のロボットだけれど、日本が誇るすばる望遠鏡は
SFではない現実の世界で活躍している素晴らしいロボットであり、
この素晴らしさを多くの人に伝えたい」という熱い思いを語ってくれました。
高校生にはその素晴らしさが早速伝わったようで
「どうすればすばる望遠鏡で働けますか?」などの質問が飛び出しました。

次の通信授業は岐阜県飛騨市の神岡鉱山の地下1000メートルで
暗黒物質を追い求めているXMASS実験施設より、カブリIPMU准教授の
Kai Martensさんの登場。
英語での授業を通訳しながらということで、少し難しかったかもしれませんが、
実際のXMASS施設を(外側からですが)ライブ映像で見せてもらう事もできた
貴重な内容でした。

このほかにもスローンデジタルスカイサーベイ(SDSS)の実際のデータから
星や、銀河を探す授業など盛りだくさんの授業に熱心に取り組んでいました。

そしてこの日の講義にはサプライズゲストとしてカブリIPMU機構長の村山さんと
副機構長の片山伸彦さんも参加!
大学院生のTA(ティーチングアシスタント)に交じって高校生に直接アドバイスを
する場面もなんとも贅沢な授業です。

SDSSのデータについて説明をする村山さん

参加者全員でのランチタイムを挟んで午後はカブリIPMU客員上級科学研究員
小松英一郎さんの講義です。
小松さんと言えば、現代宇宙論の基礎(宇宙年齢137億年や宇宙の組成
(暗黒物質23%など)に大きな貢献をしたWMAPの研究で有名ですが、
”こつこつと衛星のデータ解析をしている研究者”というイメージとは真逆のとても
エネルギッシュな方で、この日の講義も”白熱宇宙教室”といった感じです。
小松さん自身の”宇宙についてもっと知りたい、そしてわかったことを伝えたい”
という熱い気持ちが高校生にも伝わったようです。


高校生に講義をする小松さん


カブリIPMUではこれからも将来の科学者を目指す中学生や高校生の皆さんと、
研究者が直接触れ合い、宇宙や研究の世界に興味を持ってもらえるようなイベントを
開催したいと思っています



本当に暑い中、決して便利とは言えない柏のカブリIPMUまで来てくれた
参加者のみなさん、どうもありがとうございました!!!



by fu-miyazoe | 2012-07-30 17:29 | イベント
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